Alumni Interview 生命環境学科生命科学コース卒業生インタビュー記事

生命環境学科生命科学コース卒業生インタビュー記事
山谷 浩史さんの写真

山谷 浩史さん

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 高崎量子応用研究所主任研究員

兵庫県立東播磨高等学校出身
2011年生命環境学部生命科学科卒業 (福永研)

  • 今はどういうお仕事をされてますか?

    私は現在、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)の高崎量子応用研究所に所属しています。主な研究は量子ビーム(ガンマ線, イオンビームなど)照射により植物の突然変異を誘発させ、得られた突然変異体集団の中から、目的とする有用な突然変異体(例えば収量が多い、食味が良い、病気に強い)を単離し、その原因遺伝子を特定しています。将来的には得られた突然変異遺伝子のDNAマーカーを作成し、品種改良へ利用できれば良いと考えています。これまでの経歴ですが、私は県立広島大を卒業してから、広島大学大学院の博士課程前期に進学しました。2年間民間の種苗会社で勤務した後、再び広島大学大学院に入学し、博士号を取得しました。その後、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)で博士研究員をした後、今年度から現職に着任しました。

  • 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?

    県立広島大学ではテニス部に所属していました。ラケットよりも酒瓶を握っていた記憶です。研究室配属後には共同研究先で、葉の老化誘導時にも緑色を保つ突然変異体の原因遺伝子の単離とどのようにしてその現象が起きているかを明らかにしました。毎日遅くまで実験をし、数えきれないほど失敗しました。イネの遺伝子組換え体の作成は半年近くかかり、ポジティブな結果を得られたことは今でも印象的です。

  • 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?

    私は学部の時には特に遺伝子に興味を持ち分子生物学・分子遺伝学を中心に勉強しました。その延長線上で遺伝子解析を主に行っていた福永研究室に所属しました。県立広島大学で得た知識は、民間の種苗会社や国立研究所において研究を行うための大切な基盤になっています。

  • 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?離れても広島への思いは?

    大学受験に合格した後、家を探しにはじめて庄原市を訪れたときは、すごい田舎と驚きました。電車は数時間に1本しかなく、市内はファミレスがありませんでした。そのため、これから4年間暮らしていけるのかすごく不安でした。遊ぶ場所が少ないということは、どこかへ行くよりも友人の家で集まることが私の日常になったため、距離の近い人間関係を築くことができました。広島県から離れてしばらく経ちますが、時々友人に会いに行きます。

  • 最後に何かひとこと

    庄原キャンパスでの4年間は、自由に使える時間が多いと思います。その使い方は人それぞれで遊びに使うも、勉強に励むのも良いと思います。その時に得た経験は必ず将来役に立つと思いますので、色々と新しいことにチャレンジしてください。私はQSTに所属していますが、将来的に量子ビームを利用した突然変異体を用いて県立広島大学、広島大学及び農研機構とも共同研究を行いたいと考えています。

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)の高崎量子応用研究所

 

山谷浩史さんの研究業績 (researchmap) 

 

QST設備

QSTの量子ビーム(イオンビーム)照射装置です。上方から量子ビームをサンプル(植物種子など)にあてて、突然変異を誘発させます。

 

 

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