Alumni Interview 生命環境学科生命科学コース卒業生インタビュー記事
末廣 祥平さん
三菱ケミカル株式会社
兵庫県立西脇高等学校出身
2014年生命環境学部生命科学科卒業
(福永研)
-
今はどういうお仕事をされてますか?
現在、三菱ケミカル株式会社で食品・ニュートリションチームにおいて、乳酸菌の開発やマーケティングに関わる業務に携わっています。具体的には、機能性表示食品取得のための臨床試験の計画や実施、海外展開のため米国の展示会に出展、企業との協業模索、海外の当局へ食品原料としての安全性評価書類などを作成しています。最初は、NITEという独立行政法人で勤務、経済産業省への出向、シンジェンタジャパン株式会社で遺伝子組換え作物や微生物のリスク評価等の業務を経て現職に就いています。
-
庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?
野球部、バスケットボールサークルに所属し、土日は野球やバスケの試合、平日はバイトや友達の家で鍋パーティなど充実した生活を送っていました。車を持っている人が多かったので、島根、鳥取、山口、高知、愛媛までキャンプに行ったり、ご当地グルメを食べに行ったりしていました。小旅行もいろいろと行きました。車の中で友達と話したり、ドライブも楽しみの1つでした。3年生からは研究室での実験や図書館で公務員試験の勉強して過ごしていました。
-
庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?
これまで学んだ戻し交配などの育種学、遺伝資源、植物に関する知識や実験の経験が、遺伝子組換え作物の安全性評価、遺伝資源と利益配分の名古屋議定書、ゲノム編集作物への規制枠組みの検討などの業務に非常に役に立ちました。現職では、微生物、免疫、生物統計に関する知識も活かすことが出来ているので、大学時に幅広く学ぶことができて良かったです。
-
他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?離れても広島への思いは?
想像していたよりも、私を含む県外出身の方も多く、各地方の慣習や方言の話が聞けて面白かったです。また、庄原キャンパスは美しい自然に囲まれているので、教室、研究室、食堂でも天気が良いと清々しい気分で心地良かったです。今でもふと恋しいなと思うことがあります。学部の人数もそこまで多くないため、先輩、後輩との交流も頻繁で、色々な方と繋がりができたことも自分にとって良い刺激でした。
-
最後に何かひとこと
庄原キャンパスで生命科学に関する幅広い知識を学ぶことが出来ます。学んだ知識を仕事でアウトプットすることでやりがいを感じています。他の大学と比べて、学部の人数も多くないので、先生との距離が近く、研究室でも手厚いサポートや先輩に相談できる点も良い点の一つだと思います。
以下は今末廣さんとも一緒に研究して国内外の学術誌に掲載されたものです。
Takahiko Inoue, Takahisa Yuo, Takeshi Ohta, Eriko Hitomi, Katsuyuki Ichitani, Makoto Kawase, Shin Taketa, Kenji Fukunaga (2015) Multiple origins of the phenol reaction negative phenotype in foxtail millet, Setaria italica (L.) P. Beauv., were caused by independent loss-of-function mutations of the polyphenol oxidase (Si7PPO) gene during domestication. Molecular Genetics and Genomics 290(4) 1563-1574
Hisato Masumoto, Hiroki Takagi, Yohei Mukainari, Ryohei Terauchi, Kenji Fukunaga (2016) Genetic analysis of NEKODE1 gene involved in panicle branching of foxtail millet, Setaria italica (L.) P. Beauv., and mapping by using QTL-seq. Molecular Breeding 36(5) 1-8
Shohei Suehiro, Katsuyuki Ichitani, Eiji Domon, Kenji Fukunaga (2018)Genotyping of the SiDREB2 gene in worldwide foxtail millet (Setaria italica (L.) P. Beauv.) genetic resources with special attention to Indian landraces. Genetic Resources and Crop Evolution 65 1559-1564
Fukunaga, Kenji, M. Z. Nur, Takahiko Inoue, Shin Taketa, Katsuyuki Ichitani (2020) Phylogenetic analysis of the Si7PPO gene in foxtail millet, Setaria italica, provides further evidence for multiple origins of negative phenol color reaction phenotype. Genes and Genetic Systems 95(4) 191-199
生命科学コースからのコメント
福永研では卒論・修論などで行った研究のいくつかは成果として国際誌などに論文としてまとめられています。理系の研究は、まさにアクティブラーニングそのものであり、プロジェクトベースラーニング(PBL)であります。また、広島県内で植物育種学の研究室があるのは、県立広島大学生物資源科学部生命環境学科生命科学コースだけです。