Alumni Interview 生命環境学科生命科学コース卒業生インタビュー記事

生命環境学科生命科学コース卒業生インタビュー記事
向成 洋平さんの写真

向成 洋平さん

愛媛県東温市役所

愛媛県立伊予高校出身
2013年生命環境学部生命科学科卒業 (福永研)

  • 今はどういうお仕事をされていますか?

    地元の愛媛県にある東温市役所で勤務しています。現在は入庁3年目で、市民福祉部長寿介護課に所属しています。この部署は65歳以上の市民を対象とした介護保険サービスをおこなっており、私は主に介護度を決める審査会の運営や申請受付業務を担当しています。昨年度は介護保険料の賦課徴収業務を担当していました。今の仕事は、介護を必要とする高齢者が慣れ親しんだ地元で安心して生活を送ることができるようサポートする大切な仕事であるため、毎日やりがいをもって取り組んでいます。

  • 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされてましたか?

    学部卒業後は大学院に進学し、卒業論文のテーマを引き続き取り組みました。なので学生時代は勉強と研究室での実験に費やしていました。植物の遺伝や形態形成の分野に興味があったので、特に福永先生の植物遺伝資源研究室での実験はとても充実したものでした。実験材料である雑穀のアワにみられる特徴的な表現型に関わる原因遺伝子の究明に関わることができ、良い成績で卒業できたことは誇りです。今でも福永先生と連絡をとっており、ラボキャラのイラストを描いたり、先生から頂く研究の成果の報告が楽しみです。

  • 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせていますか?

    現在の仕事は植物、まして遺伝とはまったく関係のない福祉分野なので、勉強したことが直接生かされることはありません。しかし、地道に実験を繰り返してきた研究室での実績から、今取り組んでいることが全体にどのように関わりを持つのか、その意義を明確化することで、単純作業やしんどい思いをする内容であっても乗り切る力を身につけることができたと思います。

  • 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?広島から離れて広島への思いは?

    入学まで庄原市を訪れたことがありませんでしたが、山々の自然に囲まれた素敵な環境だと思いました。個人的に、夕刻のロビーから眺める池がとてもきれいでお気に入りスポットでした。また、友達や研究室ではカープファンが多く、さすが広島だな~!と感心しました。もともと野球に興味がありませんでしたが、今ではカープの活躍が気になってしまっており、気付いたら私もカープファンになっていました。びっくり。

  • 最後に何かひとこと

    庄原キャンパスで過ごした6年間は勉強と実験が中心でしたが、その経験が今の私の基礎となっています。成果物だけでなく、その過程での考え方や取り組み方が、今の仕事の意義や私自身の価値観に繋がっているように思います。失敗を恐れず、たくさん学び成長していってください。応援しています。

アワの穂

 

研究材料としていたアワの穂.かけあわせて遺伝子を調べていました。

ラボキャラ

向成さん作成のラボキャラ.福永研のプレゼンテーションなどによく使用されています。これは2022年正月版.

 

 

生命科学コースからのコメント

広島県北の庄原という地でさまざまな出身地の学生が学び、アグリバイオ、広島県の企業、地域行政などのさまざまな分野で活躍しています。他の研究室も同様のことと思います。庄原キャンパスは多様性をもった学びの場といえるでしょう。今回紹介した彼らの学んだ育種学や遺伝資源学の立場からいえば、ひとつの品種や作物だけからなるモノカルチャーは急激な変化に弱いものです。長い目で見れば、多様性は強いレジリアンスを生みます。また、県外から来て地元に戻っても広島カープを応援してるなどの声もきけました。さまざまな土地に広島愛の種子が播かれ広がっています。

福永研では卒論・修論などで行った研究のいくつかは成果として国際誌などに論文としてまとめられています。理系の研究は、まさにアクティブラーニングそのものであり、プロジェクトベースラーニング(PBL)であります。また、広島県内で植物育種学の研究室があるのは、県立広島大学生物資源科学部生命環境学科生命科学コースだけです。

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